ホテル・旅館のWEB担当者様に役立つ情報をお届けする「ホテル・旅館WEB売上アップ講座」。
本日のテーマは「無料系予約システムを使う落とし穴」についてです。
皆様のホテル・旅館様は自社サイトの予約システムに何を使用していますか?
様々な予約システムが存在しますが、OTAが提供している
「無料系予約システム」を使用している施設様もあるのではないでしょうか。
この「無料系予約システム」を使用する理由として
「OTAのプランと一緒に自社もプラン登録ができるから」
「有料系予約システムは操作が複雑だから」など様々な理由があると思いますが、
一番は「無料だから」という施設様が多いと思います。
しかし、目先の「無料」という言葉にとらわれて
結果として多くの「送客手数料」をOTAに支払い、利益を圧迫しているということにお気づきでしょうか。
無料系予約システムを提供する主な国内OTAは
楽天トラベルさんの「R-with」と
じゃらんnetさんでは「じゃらんホームページダイレクト」があります。
ではなぜこのようなWEBサービスを無料で提供するのか?
ということを理解しなくてはいけません。
OTAの狙いは「在庫連動による自社ネット販売の無効化」にあります。
つまり自社ネットの在庫分を取ってしまい、
OTAの売上を最大化しようとするということです。
本来であれば自社ネットと各OTAというのは在庫を別々に出すのですが
「R-with」や「じゃらんホームページダイレクト」は在庫を別々に出すことができません。
楽天トラベルさんやじゃらんnetさんと在庫が共有されてしまうことにより
販売力の弱い自社ネットは売上を上げることができず、
結果としてOTAに在庫を取られ、送客手数料を余分に払うことになります。
ではどれくらいの在庫をOTAに取られ、どれくらいの手数料を余分に払っているのでしょうか。
まずは有料系と無料系の自社販売比率の違いについて、
弊社お客様の事例をご紹介します。
■無料系予約システムを使用している温泉旅館B ※じゃらんホームページダイレクト使用
楽天トラベル 17.3%
じゃらんnet 68.3%
自社ネット 14.4%
■有料系予約システムを使用している温泉旅館A ※予約プロプラス使用
楽天トラベル 27.6%
じゃらんnet 33.2%
自社ネット 36.7%
このように無料系予約システムを使用している旅館Bでは
販売力の違いで在庫がOTAに取られており、3サイト内での販売比率は14.4%と非常に低いです。
一方、有料系予約システムを使用している温泉旅館Aでは
在庫の制限を受けていないため、自社ネットの販売比率は36.7%と非常に高い比率です。
無料系予約システムを使用している旅館Bの実に「2.5倍」です。
いずれにしても無料系予約システムで自社販売比率を高めることは
弊社の経験上、非常に難しいです。
次に弊社のお客様の事例として自社販売比率の「平均値」「最高値」をご紹介します。
■弊社お客様の自社販売比率「平均値」
楽天トラベル 30.0%
じゃらんnet 40.0%
自社ネット 30.0%
■弊社お客様の自社販売比率「最高値」
楽天トラベル 25.0%
じゃらんnet 30.0%
自社ネット 45.0%
最高値の45.0%のように自社販売比率が高くなるということは
「旅行会社依存度を下げる」こと、つまり
送客手数料を削減・利益率を改善・自社によるお客様の囲い込みができるということです。
では有料系予約システムにすることにより、どのくらい送客手数料を削減できるのか?を
シミュレーションを使ってご説明します。
【シミュレーション条件 ※弊社お客様の事例】
■無料系予約システムを使用
楽天トラベル 17.3%
じゃらんnet 68.3%
自社ネット 14.4%
■有料系予約システム使用 平均値
楽天トラベル 30.0%
じゃらんnet 40.0%
自社ネット 30.0%
ここで仮に年間のWEB売上が1億円あるとした場合、上記の比率で売上を分けてみます。
■無料系予約システムを使用
<売上内訳>
楽天トラベル 1,730万円
じゃらんnet 6,830万円
自社ネット 1,440万円
合計 1億円
<手数料>
楽天トラベル 138万円
じゃらんnet 683万円
自社ネット 0円
合計 821万円
■有料系予約システムを使用
<売上内訳>
楽天トラベル 3,000万円
じゃらんnet 4,000万円
自社ネット 3,000万円
合計 1億円
<手数料>
楽天トラベル 240万円
じゃらんnet 400万円
自社ネット 0円
合計 640万円
無料系と有料系で手数料の比較をすると、その差は181万円にもなります。
有料系予約システムの場合は、サービス使用料金はかかりますが
大体月額1万円程度となり、年間12万円としても十分ペイできる差額です。
目先の「無料」という言葉にとらわれて年間12万円を惜しむあまり
結果的に手数料として大きなコストを払っているという結果になってしまっているのです。
いかがでしたでしょうか。
無料系予約システムを使用している施設様は一度
「自社サイトの販売比率」と「OTAへの送客手数料」を見直し、
有料系予約システムを導入することを検討してみてください。
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